AIを使った記事づくりの解説を読んでも、ツールを並べた「〇選」が多く、自社でどう進めればよいかが決まらないことがあります。大幅に時短できるという趣旨の記事と、時間はそれほど変わらないという記事が両方あり、Googleの評価や著作権も、記事によって説明が違います。そう感じている担当者に向けた記事です。
この記事では、AIで記事を作る流れを5つの手順に分け、写して使える指示文(プロンプト)の例と一緒にまとめます。
結論 構成案と下書きはAIに任せ、数字と出典URLの照合は人が担う
5つの手順のうち、AIが出すのは構成案と下書きです。人が主に担うのは、読者と目的を決めること(手順1)、AIが出した数字と出典URLを原典と照合すること(手順4)、体験を足して仕上げること(手順5)の3つです。手順2でも、AIが出した構成案を人が並べ直します。5つの手順は次のとおりです。
- 手順1 読者と目的とAIに渡す材料は、人が決める(人)
- 手順2 構成案はAIに出させ、上位の見出しと読者の疑問の順に人が並べ直す(AIが出し、人が並べ直す)
- 手順3 下書きは見出し1つずつ書かせる(AI)
- 手順4 AIが出した数字と出典URLは、人が原典を開いて1件ずつ照合する(人)
- 手順5 体験と一次情報を人が足し、AIっぽい言い回しをAIに直させて仕上げる(人が足し、AIに直させる)
AIは、渡された材料をもとに、それらしい文章を早く出せます。一方で、出した数字や出典が正しいかを自分で保証することはできません。そのため、材料を決める所と、事実を原典で突き合わせる所は人に残します。手順2〜5には写して使える指示文の例を、手順1には記入枠を付けました。各手順で人が見る所も示します。AIに入れない情報は、手順1より前にチームで決めておきます。
この記事は、企業のブログやオウンドメディアの記事を担当する人に向けたものです。AIニュースや副業でAIブログを始める方法は対象にしていません。著作権など個別の法律上の判断や、記事制作にかかる時間の一般的な短縮率は示しません。
始める前に、AIに入れない情報とAI利用の開示をチームで決める
AIに材料を渡す前に、入力しない情報の範囲と、AIの利用を読者にどう伝えるかを決めます。手順1で材料を選ぶとき、この2つが判断の基準になります。
AIに入れない情報と、渡してよい情報
入れない情報は、会社の外に出してはいけない物です。使うサービスの規約と、入力した内容の扱いの設定も、渡す前に見ておきます。
| AIに入れない情報 | 渡してよい情報の候補 | 渡す前に確かめること |
|---|---|---|
| 顧客の個人情報(名前・連絡先・相談の中身) | 公開済みの自社の記事 | 使うサービスの利用規約 |
| 契約の金額・取引の条件 | 自社で決めた用語集・表記の決まり | 入力した内容の扱いに関する設定 |
| 公開前の情報(発表前のサービス・数字) | 自分で試した結果のメモ(社外秘を含まない物) | 会社で契約した版か、個人の版か |
| パスワード・APIキーなどの鍵 | 検索結果の上位の記事の見出し(構成を考える材料として) | 誰が入力してよいか |
迷いやすいのは、顧客の名前を伏せた事例です。名前を消しても、業種・地域・時期の組み合わせで相手が分かることがあります。この表はチームの決まりの下書きです。迷う情報は、社内の情報管理の担当や専門家に聞いてから扱います。サービスごとの設定の名前と場所は変わることがあるため、使う日に公式のヘルプで確かめてください。
入れない側に当たる社内の数字や顧客の話は、AIに渡さず、手順5で人が本文に書き足す側に分けます。その際も、公開してよい数字や事例かどうかを社内の担当者や関係者に聞いておきます。
AIを使ったと記事に書くかの決め方
AI利用の開示とは、記事づくりにAIを使ったことを読者に伝えることです。ここでは媒体の運用方針として扱います。法律上の要件は、この記事では扱いません。国や媒体によって違うこともあります。
Googleのウェブサイトで生成 AI によるコンテンツを使用するための Google 検索のガイダンス(2026年10月6日更新)は、自動でコンテンツを生成している場合について、「どのような方法でコンテンツを作成したかに関する情報を、読者にわかりやすい形で追加することを検討します」と書いています。チームでは次の3つを決めます。
- AIを使ったことを書くか、書かないか
- 書くなら、どこに書くか(記事の冒頭か末尾か、運営者の情報のページか)
- どの手順にAIを使ったかまで書くか
2026年10月11日にGoogleで日本とアメリカそれぞれの上位20件を日本語で検索した調査では、重なりを除いた35件のうち本文を読めたのは31件でした。この記事で「同じ調査」と書くときは、この範囲を指します。その中で、記事の冒頭や末尾にAIの利用を記したページが2本ありました。記者によるAI利用の例を紹介しながら、自社の記事の執筆や編集ではAIを使わない方針を記したメディアもありました。媒体ごとに方針を決め、記事間で扱いをそろえます。
手順1 読者と目的とAIに渡す材料は、人が決める
AIの出力は、渡す材料で変わります。最初の手順では、AIに頼む前に次の4つを人が決めます。空欄を埋めて、手順2の指示文に貼り付けて使います。
- 対策キーワード( )
- 読者(誰が、何に困っているか)( )
- 読み終えた人にしてほしい行動( )
- この記事にしか書けない材料
- AIに渡す材料(公開済みの自社の情報・用語・試した結果のメモ)( )
- 手順5で人が書き足す材料(社内でしか分からない数字・顧客の話)( )
架空の会社で埋めた例です。対策キーワードは「経費精算 手順」、読者は「経費精算を任されたばかりの総務の担当者」、行動は「自社の精算の流れを1枚にまとめる」とします。AIに渡す材料は「自社のヘルプページで公開している精算の流れ」、人が書き足す材料は「社内で差し戻しが多い項目と、その件数」です。後者の扱いは、前の節で決めた範囲に沿います。
読者は「マーケティング担当者」のような広い呼び方ではなく、1人の人が思い浮かぶところまで絞ります。広いままだと、AIの下書きはどの読者にも当てはまる一般論になります。行動も「理解する」ではなく、「〜をまとめる」「〜を決める」のように、読み終えた人が手を動かす形で書きます。記入枠をチームで共有しておけば、担当者が変わっても同じ項目から始められます。
4つ目の材料がどちらも空のままだと、AIで書いても上位の記事と同じような内容に寄っていきます。その場合は、手順5で足す材料を先に集めてから進めます。
手順2 構成案はAIに出させ、上位の見出しと読者の疑問の順に人が並べ直す
指示文(プロンプト)とは、AIに頼む作業と、その条件を書いて渡す文のことです。構成案はこの指示文でAIに出させ、人が読者の疑問に沿って並べ直します。進め方は次の4つです。
- 対策キーワードで検索し、まず検索意図に合う記事を数本開きます。共通して扱われる疑問と、答えが足りない疑問を記録し、H2とH3の見出しだけを書き出します。本文は写しません。広告や、検索結果の上に出るAIによる概要は入れません。
- 手順1の記入枠(AIに渡す材料の欄まで)と、書き出した見出しを、下の指示文に入れてAIに渡します。
- AIが出した構成案を、人が3点で見直します。読んだ記事に共通する疑問への答えが抜けていないか、自社の材料を使う節があるか、結論が最初のH2にあるか、です。
- 見出しの順番を決めたら、H2ごとの目安の文字数を決めて手順3へ進みます。
見出しは、記事ごとに「何位・記事の題名」の行を立て、その下にH2とH3を出てくる順に並べて書き出します。H3は1字下げておくと、AIにも親子の関係が伝わります。
| 指示文の例(構成案のプロンプト)【 】の中を書き換えて使います |
|---|
| 企業のオウンドメディアの編集者として、次の材料で記事の構成案を作ってください。 ・対策キーワード【 】 ・読者【誰が、何に困っているか】 ・読み終えた人にしてほしい行動【 】 ・自社の材料【公開済みの情報だけ】 ・上位の記事の見出し【書き出したH2・H3】 条件 ・検索した人が疑問に思う順に、H2とH3を並べる ・最初のH2で結論を言う ・上位の見出しの言い回しはそのまま使わない ・自社の材料を使う節を1つ以上入れる ・H2ごとに、その節で答える問いを1行添える |
上位の見出しは、読者が何を知りたいかをつかむ材料にだけ使います。言い回しを写すと、上位と同じ記事が1本増えるだけになります。
AIが出す構成案は、「〇〇とは」「メリットとデメリット」「まとめ」のように、どの記事にも付けられる見出しが並びがちです。人が並べ直すときは、H2ごとに添えさせた問いを読み、読者が最初に知りたい問いから順に並べます。たとえば架空の経費精算の記事なら、「経費精算とは」より先に「精算はどの順で進めるか」を置きます。
並べ直したら、各H2の見出しを、問いへの答えが分かる文に直します。「経費精算の流れ」より「経費精算は申請・承認・支払いの3段で進む」のほうが、見出しだけで中身が伝わります。ここまで決めておくと、手順3の下書きの指示が短く済みます。
手順3 下書きは見出し1つずつ書かせる
記事全体を一度に書かせず、見出し1つごとに書かせます。1回で書かせられる長さはモデルやサービスで違い、変わることもあるため、字数の上限を決めず、見出しで区切ります。区切ると、要点の抜けや事実の誤りに気づきやすくなります。
- 手順2で決めた見出しを1つ選び、その節で書く要点と目安の文字数を決めます。
- 下の指示文で下書きを書かせます。
- 【要照合】の印が付いた所を書き出し、手順4の一覧に回します。
- 次の見出しへ進むとき、前の節と同じ説明をくり返していないかを見ます。
| 指示文の例(下書きのプロンプト)【 】の中を書き換えて使います |
|---|
| 次の見出しの本文を書いてください。 ・見出し【 】 ・この節で答える問い【 】 ・書く要点【3〜5個】 ・文字数の目安【約 字】 ・文体【です・ます】、読者【 】 条件 ・最初の1文で問いに答える ・渡した要点に無い数字・固有名詞・事例は足さない ・数字・固有名詞・引用・URLを書いた所に【要照合】と付ける ・言い切れない所はぼかさず、【要照合】と付ける |
下書きが返ってきたら、人は次の3つを見ます。最初の1文で見出しの問いに答えているか。渡した要点が全部入っているか。渡していない事例や数字が足されていないか。AIは、頼んでいない具体例や、それらしい数字を足すことがあります。足された所には【要照合】の印が付いているはずですが、印の無いまま入っていることもあるので、要点の一覧と1つずつ見比べます。
架空の経費精算の記事なら、下書きの「申請から支払いまでは平均5日です【要照合】」という1文は、手順4の一覧に「数字・平均5日・出典なし」と1行で移します。原典が見つからなければ、この1文は消すか、自社で数え、公開を認められた日数に置き換えます。
前の節とのつながりがほしいときは、前の節の要点を2〜3行で渡します。前の節の本文をまるごと渡すと、同じ説明がくり返されやすくなります。
記事を書く手順の全体と、AIの下書きを公開前にどう点検するかは、記事の書き方|初心者が最初の1本を書き上げる6つの手順にまとめています。AIを使わずに書く場合と並べて読むと、どの手順をAIに渡したかが分かります。
手順4 AIが出した数字と出典URLは、人が原典を開いて1件ずつ照合する
原典とは、数字や主張を最初に出した資料(調査の報告書・統計・公式のページなど)のことです。AIが書いた数字や出典URLは、人が原典を開いて見比べるまで使いません。この照合が、AIで書いた記事のファクトチェックに当たります。Googleのガイダンスも、生成AIの出力には不正確な情報が含まれる可能性があるとして、公開前の手動による事実確認を勧めています(2026年10月6日更新)。
原典と突き合わせずに進めると、どうなるか。記事の文章をすべて生成AIに書かせる試みを、筆者が個人の体験として書いた技術記事(Qiita記事を100%AIに書かせたら、地獄が待っていた、2025年11月12日投稿)では、本文は原典で確かめていたものの、最後に脚注を見直したところ、30件を超すリンク先URLとページ名がほぼ全部誤っていたと書いています。直す作業には約4時間かかったそうです。これは1人の体験です。この例では、脚注の照合が本文の照合から漏れていました。
次の順で進めます。一覧づくりはAIに任せ、原典と見比べるのは人です。
- 本文から、数字・固有名詞・引用・出典URLの一覧をAIに抜き出させます(下の指示文)。
- 出典URLを開き、ページの題名と中身が、本文の主張に合っているかを読みます。
- 数字は、原典のどの行に書かれているかと、いつの数字か(調査の年・更新日)を写します。
- 原典が開けない物、見つからない物は使いません。原典の言い方に直すか、別の資料を調べ直します。
- 原典を開いた日を記録します(最終稿の点検は手順5の最後に行います)。
| 指示文の例(照合の一覧づくりのプロンプト) |
|---|
| 次の本文から、数字・固有名詞・引用・URLを、出てくる順にすべて抜き出して表にしてください。列は「本文の文」「種類」「本文に書かれた出典」です。正しいかどうかの判断はしないでください。 【本文を貼り付ける】 |
AIに「正しいか確かめて」と頼んだ答えも、人が原典を開くまでは、確かめたことになりません。一覧を受け取ったら、次の確認表に写して使います。
| 照合する物 | 開く物 | 見る所 | 記録する物 | 合わなかったとき |
|---|---|---|---|---|
| 数字 | 調査や統計の原典 | 数字が書かれた行・調査の時期・対象 | 原典のURL・ページや行・時点 | 原典の数字と言い方に直す。無ければ消す |
| 固有名詞 | 公式サイト・公式の資料 | 正式な名前・表記 | 確かめたページのURL | 正式な表記に直す |
| 引用 | 引用元のページ | 引いた文が原文と一致するか | 引用元のURL・題名 | 原文どおりに直すか、引用をやめて要約にする |
| 出典URL | そのURLのページ | 題名と中身が本文の主張に合うか | 開けたか・開いた日 | 正しいページを調べ直す。見つからなければ主張ごと消す |
| タイトル・メタディスクリプション | 最終稿と参照した原典 | 本文に無い効果や数字を約束していないか。原典と異なる要約がないか | 確認した文言・確認日 | 本文と原典で言える範囲に直す |
| 画像の代替テキスト(alt) | 実際の画像と本文 | 画像が示す内容を先に伝え、描かれていない物を書いていないか | 画像名・確認日 | 画像と本文に合わせて書き直す |
原典までさかのぼると説明が食い違っていた例は、よく引用されるマーケティングの通説は、原典と5つの点で食い違っていたで紹介しています。よく引用される数字を創業者の資料までさかのぼった例は、Dropboxの紹介プログラム。創業者資料で確認できる数字にあります。
手順5 体験と一次情報を人が足し、AIっぽい言い回しをAIに直させて仕上げる
最後の手順では、自社の記事に必要な材料を人が足し、言い回しを直します。どの記事にも書ける一般論だけで終わらせないための手順です。
- 手順1で「人が書き足す」側に分けた材料を見直します。社内の数字や顧客の話は、前の節で決めた範囲に沿って、人が本文に書きます。公開できない情報は記事に使いません。
- 自分で試した結果を足すときは、何を、いつ、どの条件で試したかを書きます。個人の体験から、すべての会社で同じ結果になるとは言い切りません。
AIには、下書きを書かせる使い方(手順3)と、人が書いた文を直させたり点検させたりする使い方があります。手順の説明や用語の定義のように、渡せる材料がそろった節では下書きが役立ちます。自社の事例や意見が中心の節は、人が先に書いてから言い回しを整えるほうが、書き手の判断を残しやすくなります。ただし、AIに渡せない情報を含む段落は、そのまま直しの指示文に貼り付けません。
人が書いた文をAIに直させる使い方の例として、『WIRED』日本版(WIRED.jp)の記事「執筆と編集にAIを使うテック記者たちの主張」(WIRED.jp、2026年4月5日公開。wired.comの記事の翻訳)は、記者が自分の文章についてAIから意見を得る例を紹介しています。紹介された記者本人のやり方であり、すべての媒体に共通する方針ではありません。
直させるときは、公開してよい段落だけを渡し、事実を変えないよう指定します。
| 指示文の例(言い回しを直させるプロンプト) |
|---|
| 次の段落の言い回しだけを直してください。 ・数字・固有名詞・引用・事実は変えない ・直す所:行頭が太字の箇条書きが続く所、見出しのコロン、抽象的な名詞で終わる文 ・直した所と、直す前の文を並べて示す 【公開してよい、人が書いた段落を貼り付ける】 |
直す癖の例は、AIが書いた記事の見分け方を挙げた個人の記事(ペロッ…これはAI生成記事! 見分け方のコツ、Qiita、2025年4月23日投稿)によるものです。箇条書きが多く行頭が太字になる、見出しにコロンが多く使われる、抽象名詞で終わる文が多い、の3つを挙げています。今のモデルでも同じ癖が出るかは、書いた文で見てください。
直す前と後の例です(架空の例)。見出しの「AI活用:メリットと注意点」は、「構成案と下書きにはAIを使える」のように答えの文にします。「業務効率化の実現。」で終わる文は、「下書きにかけていた作業を、構成案の見直しに振り向けられます。」のように、誰が何をできるかが分かる文にします。
- 直した文を人が声に出して読み、AIが数字・固有名詞・主張を変えていないか、修正前の文と見比べます。
- 書き足した数字と顧客事例も手順4の確認表に足し、原典や社内の記録と照合します。タイトル・メタディスクリプション・画像のaltまで、この表で点検してから公開します。
AIを使っても人の作業が残りやすいのは手順1・4・5

構成案を作る手順2と下書きを作る手順3では、AIを使うと初稿を早く得られます。材料を決めて分ける手順1、数字と出典URLを照合する手順4、体験を足して最終稿を読む手順5には、人が行う作業が残ります。記事全体で何分短くなるかは、扱う資料や確認する項目によって変わります。
図の丸は左から手順1〜5です。サンゴ色は人の作業が残る手順(1・4・5)、青緑はAIに構成案と下書きを出させる手順(2・3)を表しています。
同じ調査の中には、ツールやサービスを提供する会社が、記事づくりの時間を大幅に短縮できると述べたページがあります。個人の体験記の中には、異なる結果を書いたものもありました。AI に技術ブログを書かせてみてわかったこと(2026年8月22日公開)の筆者は、自分の手で書いたときと使う時間がそれほど変わらず、AIが出した内容の理解や一次情報の読み直しに時間がかかったと述べています。これに対して、『WIRED』日本版の記事では、初稿づくりをAIに任せている独立した記者が、執筆時間は30〜40%減ったと話しています。いずれも本人の経験で、記事の種類や使い方が異なります。
量産する記事か、調べて書く記事かも、時間の見込みに影響しうる条件の1つです。自社では最初の数本について、手順の番号・かかった時間・時間がかかった理由を記録すると、どこに作業が残るかを見積もれます。手順4に時間がかかるなら、照合が必要な出典の数も一緒に記録します。
AIで書いたことだけでGoogleの評価は決まらず、著作権は人の創作的な関わり方で分かれる
Googleの資料は、AIを使ったこと自体ではなく、内容に価値が足されているかを問題にしています。AIで作った文章が著作物に当たるかは、人がどれだけ創作に関わったかで分かれる、と文化庁の資料は説明しています。上司や依頼主に説明するときに必要になるこの2つを、公式の資料で言える範囲で見ていきます。
Googleの評価は、AIを使ったかどうかだけでは決まらない
Googleの検索品質評価者向けガイドライン(英語の資料。2025年9月11日版、2026年10月7日に取得)は、生成AIツールを使ったことだけでは、手間の程度やページの品質の評価は決まらないとしています。同じ項(4.6.6)は、本文のほとんどが写し・言い換え・AIの出力で、手間も独自性も足した価値もほとんど無いページは、出典を示していてもいちばん低い評価にするとしています。
このガイドラインは順位の決まり方そのものではありません。Googleの生成AIコンテンツのガイダンスにも、検索品質評価者向けガイドラインはランキングに直接影響しないと書かれています。また、Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー(2026年9月2日更新)は、大量生成されたコンテンツの不正使用を「ユーザーをサポートすることではなく、検索ランキングの操作を主な目的として大量のページを生成すること」としています。続けて、「この不正行為は通常、ユーザーにとってほとんどまたはまったく価値がなく、独自性のないコンテンツをその作成方法は問わず、大量に作成することに特化しています」と説明しています。手順1と手順5で自社の材料を足すとともに、記事を読者の役に立つ内容にする必要があります。
同じ調査で、検索意図に合い本文を読めた22件には、AIで書いた記事と書かない記事で検索での結果を比べた第三者の数字は見当たりませんでした。GoogleのAI 機能とウェブサイト(2025年12月31日更新)は、AIによる概要などに表示されるための追加の要件は無く、特別な最適化も要らないとしています。よく見る目安を公式の説明までさかのぼる考え方は、タイトルSEOの「32文字」は本当?公式の基準で決める付け方でも紹介しています。
AIで作った文章の著作権は、文化庁の資料で言える範囲を分ける
簡単な指示を出しただけでAIが作った文章は、著作物に当たらないと考えられています。文化庁が公表している「AIと著作権に関する考え方について」【概要】(文化庁著作権課、令和6年4月)は、人が指示を与えず、または簡単な指示だけで生成のボタンを押すだけでAIが生成した物などは、著作物に当たらないと考えられるとしています。一方で、人が「思想又は感情」を創作的に表現するための「道具」としてAIを使ったと認められれば著作物に当たり、AIを使った人が著作者になると考えられる、と説明しています。道具として使ったといえるかは、人の「創作意図」と「創作的寄与」があるかで判断されるとしています。人がAIの生成物に創作的表現といえるような加筆・修正を加えた場合は、通常、その部分に著作物性が認められるとも書いています。
他人の著作物との関係は、別の問題として扱われています。生成した物を公表するなど利用する場合は、通常の著作権侵害と同じ基準で判断され、生成した物が既存の著作物と創作的表現が共通していて(類似性)、既存の著作物をもとに作った(依拠性)と認められ、権利制限規定の対象外であれば、既存の著作物の著作権侵害になると説明しています。概要の冒頭には、もとの「考え方」それ自体は法的な拘束力を持つものではない、と書かれています。
他人の記事をAIに要約させたり言い換えさせたりして使う場合や、個別の記事の判断は専門家に確かめてください。他人の記事を引用するときの条件と出典の書き方は、ネット記事の引用ルール|文化庁が示す4つの条件と、出典に書く項目・例文にまとめています。
ツールは汎用のAIで始め、足りない所だけ記事作成に特化したツールを足す
ツールは、どの手順で何が足りなくなったかで選びます。まずは汎用の対話型AIで進め、必要な機能が見えてから専用のツールを検討します。
| 種類 | 向いている手順 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 汎用の対話型AI(ChatGPT・Claude・Geminiなど) | 手順2・3・5(構成案・下書き・言い回しの直し) | 出典URLを付けても誤ることがある。手順4の照合は省けない |
| 記事作成に特化したツール | 手順2・3を、決まった型でくり返すとき | 型に合わない記事では使いにくい。入力した内容の扱いを規約で見る |
| 検索と連動するツール | 手順2の上位の見出しを集めるとき | 集めた見出しを写さない。検索結果は日によって変わる |
選ぶときに見る所は、日本語の文章の出来、入力した内容の扱い、チームで使えるか、出典を示す機能があるかの4つです。料金・無料で使える範囲・使えるモデルは変わりやすいものです。
無料で試すときは、公式サイトの料金ページで無料の範囲(使える回数やモデル)を、利用規約で入力した内容の扱いを読み、開いた日を記録してから使い始めます。紹介記事に書かれた料金は、その記事が確認した時点の物として扱います。
専用のツールを足す目安は、同じ型の記事を毎月くり返し作るとき、チームで指示文と記入枠を共有したいとき、上位の見出しを集める作業に時間がかかっているとき、などです。まずはこの記事の指示文と確認表で1本作り、不足した機能を記録します。
よくある質問
ChatGPTで作った文章はバレますか?
判定ツールの結果だけで、AIで書いたと確実に言えるわけではありません。この記事のために読んだ資料の中には、AIで書いたかを確実に見分けられると示した一次資料はありませんでした。見分けられるかより先に、事実が正しいか、自社の材料が足されているかを見ます。Googleの評価については「Googleの評価は、AIを使ったかどうかだけでは決まらない」の節、言い回しの直し方は手順5を見てください。
AIで記事が書けるなら、ライターの仕事はなくなりますか?
AIで下書きが作れても、記事の目的を決め、事実と最終稿を確認する仕事は残ります。この記事で整理した分担は「AIを使っても人の作業が残りやすいのは手順1・4・5」の節にあります。仕事の増減を予測できる数字は、ここで参照した資料にはありません。
まとめ
- 読者と目的を決めたら、構成案と見出しごとの下書きにAIを使います。
- AIに入れない情報と、AI利用の開示方針を、材料を渡す前にチームで決めます。
- 指示文の例は手順2〜5から、記入枠は手順1から写して使えます。
- 数字と出典URLを原典と照合し、体験を加えた後の最終稿も確認表で点検します。
- まずは次の1本をこの5つの手順で作り、手順ごとの時間と確認にかかった作業を記録してみてください。
記事の構成や、数字・出典の確かめ方を整えたいときは、convia にご相談ください。